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監視カメラの属性とは?

「グーグルは中国市場のビジネスのため、中国政府の要求に屈した」と痛烈に批判しているのだ。
同じような例はまだある。
衛星写真を切り替えることができる機能がついている。
ところがこのグーブルマップの衛星写真に対し、韓国やタイ、イギリス、オランダなどあちこちの国の政府が猛烈に抗議している。
大統領官邸や軍事基地、原子力発電所などを上空から写した衛星写真が、建物のデザインまでわかるほどの精密さで表示されてしまっているからだ。
仮想敵国やテロリストの格好の標的になりかねず、国家の安全を脅かしているというわけだ。
これらの国の抗議に対して、アメリカ政府は「公共の利益優先」という建前から、積極「この写真は誰でも利用可能なものを弊社が使っているに過ぎない」と広報担当者が抗議に反論し、軍事基地の写真の消去には応じなかったのである。
ところがそんな騒ぎが起きているうちに、ネット利用者の多くはあることに気づいた。
それはグーグルマップ上では、沖縄の嘉手納基地をはじめとする米軍の基地やホワイトハウスなどの精密航空写真は、なぜか見られないように処理されているという驚くべき事実だったのである。
これに対してグーグルは何の説明もしていないから、理由は推測するしかない。
おそらくアメリカ政府からの圧力を脅威に感じたグーグル側が、要請に応じるかたちで密かに消去したのだろう。
それにしてもこのあからさまなダブルスタンダードにはびっくりするし、グーグルという企業の政治圧力への弱さにも驚くしかない。
グーグルという企業は、「インターネットの本質をよく理解した、技術者のための技術の会社」と人々は信じ、コンピュータ文化のもっとも良質な部分を体現している組織だと考えられていた。
だからこそインターネット世界の人々は、グーグルが司祭となって権力化することも是認し、「この素晴らしい会社のやることだから、きっとわれわれを幸せにしてくれるだろう」と信じたのである。
ところがその王道楽土は、実のところ政治の力によって密かにねじ曲げられつつある。
突出した技術を持つ大学院生が作ったグーグルという企業は、技術志向であることによってある種の「無邪気さ」を前面に押し出すことができた。
しかしその無邪気さは、裏を返せばしたたかな権力構造の中で利用されやすいという欠司祭となり、ネットの中で巨大権力となっていくグーグルが、アメリカ政府の権力補完のために使われないという保証はどこにもないのだ。
それはある種の、SF映画的な悪夢の未来ビジョンにもつながっている。
スティーブン・スピルバーグ監督のハリウッド映画『マイノリティリポート』を覚えているだろうか。
犯罪者が犯行に及ぶ以前に予測し、逮捕するというシステムが確立された西暦二〇五四罪を犯すであろう犯罪者として追われるという陰謀ドラマだ。
この映画の中で、アンダートン捜査官が警察当局から逃れ、逃亡を続けるシーンがあった。
地下鉄の駅コンコースにさしかかると、バイオメトリクスを使った網膜スキャニングシステムが主人公の目を識別し、壁面の動画広告が突然動きだす。
そしてこう呼びかけるのだ。
「アンダートンさん、ギネスビールはいかが?」「アンダートンさん、レクサスに乗ってみませんか?」人々が買い物をして、レストランで食事をし、美術館でアートを鑑賞し、さまざまな場所に旅行に出かける。
そうした個人データはネット経由でことごとく収集され、すべてデータベースに蓄積されていく。
そして人々の立ち回り先をどこまでも追いかけ、ターゲットされた広告を目の前に差し出し続ける。
これはグーグルの作り上げたシステムの究極に進化した姿でもある。
グーグルのアドワーズやアドセンスが進化し続けていけば、その個人に究極にマッチした広告を、その個人のためだけに表示するといったことも可能になるからだ。
アンダートンは謀略によって警察から追われ、属していた社会システムから追放されそうになった。
しかし警察当局から追われる身分になってからも、アルゴリズムによって自告を機械的に送り込み続けた。
楽園から追放されてしまっても、神の存在を常に意識せざるをえず、神の手のひらからは最終的に逃れることはできないのである。
つまるところわれわれは「グーグル八分」にされても、グーグルを使い続け、グーグルの提供する枠組みを追い求めていくしかないということなのだ。
『マイノリティリポート』のようなビジョンを悪夢と見るか、それともインターネットビジネスの究極の進化像と見るか。
いずれにせよ、インターネットビジネスのコミュニティ化・データベース化は、一方でこうした未来図を作り出すことも忘れてはならない。
アメリカのビジネス雑誌『BUSINESSN.』は、二〇〇六年一月にグーグルの未来像をその記事の冒頭は「グーグルがメディアになる」と題し、こんな風にはじまっている。
少し長くなるが、抄訳して引用してみよう。
『グーグルは二〇〇八年ごろにはケーブルテレビのネットワークを三〇億ドルで買収し、「グーグルテレビ」に改称する。
そしてグーグルビデオで蓄積されてきた膨大な数の映像コンテンツがテレビのリモコンで検索可能になり、視聴者は過去の番組の中から好きなものを自分で選んで観ることができるようになる。
グーグルテレビの利用者は、Gメールやその他のサービスと同じようにグーグルにIDを登録しなければならず、これによって視聴者がどのような番組を観ていて、どのようなキーワード検索を行い、どのようなメールのやりとりをし、どのような買い物をインターネットショッピングで行っているか-そうした個人情報がすべてグーグルのデータベースに蓄積されていく。
そうすると、たとえばあなたがネットオークションで何度か中古車の情報を見たりすると、次にグーグルテレビのスイッチを入れたときには中古車のテレビそしてこの広告から上がる莫大な収益の七割から八割は、映像クリエーターなどに還元されていく。
だからグーグルテレビは広告主やテレビの制作会社、視聴者などすべての人たちから喜んで受け入れられるサービスになる。
ついで「グーグルモバイル」が二〇〇九年に登場する。
これは無料の携帯電話サービスだ。
二〇一一年には、大手電機メーカーによって電子ペーパーが大量生産されるようになる。
二〇一八年までには電子ペーパーのコストが紙に近づき、グーグルは携帯電話サービスを経由して、自宅の居間の壁に掛かっている電子ペーパーに、自動的にコンテンツを配信するサービスを始める。
ニューヨークタイムズ紙やパラマウント映画などのメディア企業は、最初はグーグルから巨額の広告収入を得ることができて潤うが、しかし徐々に「もう古いメディアは必要ない」という認識が広がり、直接グーグルの持っている媒体にクリエーターや記者がコンテンツを届けるようになる。
つまりはグーグルという媒体ができあがってくる。
そして二〇二〇年には、グーブル上で活躍しているジャーナリストや作家が報道記事や小説などで栄誉ある賞を受賞し、グーグルがスポンサーについているバンドがグラ-賞を受賞し、そしてグーグルの映画監督がアカデ1賞最優秀映画賞を獲得する。
これによって一気にニューヨークとロサンゼルスはメディアの中心地から外れ、代わってグーグルグーグルがすべてを呑み込んでいくという将来像が、リアルに措かれている。

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